338日ぶり実戦では好投 松坂が無視する“ブルペンの魔法”
「投げさせてください」
平成の怪物は首脳陣にそう直訴したという。
26日、中日の松坂大輔投手(37)が韓国「ハンファ」との練習試合に三回から2番手で登板。昨年3月のオープン戦以来、338日ぶりとなった実戦で、1イニングを2者連続三振を含む3者凡退に片付け、最速は143キロを計測した。
松坂のマークを続ける他球団スコアラーはこう言う。
「中日の(キャンプ地・北谷の)ブルペンはセ・リーグのどのチームよりも『反響』がいい。当然、ミットの音も良くなるし、投手も気持ち良く投げられる。だから中日の投手はついつい、予定よりも投げすぎてしまうこともある。松坂も、(ケガをした肩を)怖がって投げている割にはミットからいい音が出ていた。だからこそ、投げ込み好きの松坂がよくここまで球数をセーブしているなと思う。いつもの感じなら、もっと投げすぎているはずですよ。それだけ慎重にやっている証拠。ここまではそれが奏功していると思う」
松坂は“投げたがり”だ。昨年の春季キャンプでは2クール目で239球を投げ込む日もあった。しかし、今年の初ブルペンは捕手を立たせて32球。2度目以降も56球、66球、77球と増やしたものの、その後はペースダウン。21日のフリー打撃登板前もブルペンでは35球にとどめ、打者には45球。気温の低い日はブルペン入りを回避するときもあった。
ここまで100球を超えた日はゼロ。昨年の今ごろに比べると超スロー調整だ。次回の実戦は来月4日、楽天とのオープン戦が予定されている。チーム内の期待は日に日に高まっている。