制球不安定な大谷に“メス” 首脳陣が異例のフォーム指導
■体重移動に課題
この日、ナギー投手コーチは大谷の一連の動きに関して、「マウンドに慣れるため」と説明。あくまでもフォーム固めの一環なのだろうが、前日のブルペン投球の際にもコーチが体重移動について指摘し、ソーシア監督も「次回登板時はストレートの制球を大切にしてほしい」と話していた。
米メディア関係者は「大谷はまだ23歳。成長過程にあるとはいえ、扱いはすでにメジャーリーガーだ。キャンプ中盤のこの時期に、首脳陣から注文を付けられるなんてのは異例。松坂やダルビッシュら過去の日本人投手だって、そんなことはされなかった」と言う。
大谷は日本ハム時代から、体重移動に課題があったといわれる。さる日本ハムOBがこう言った。
「大谷は上半身の力に頼った投げ方になりがちだった。腕が横ぶりになり、制球が安定しないケースもあった。これではボールに力が伝わりづらいし、肩や肘への負担も大きくケガにもつながりかねない。軸足となる右足にしっかりと力をため、力むことなく下半身主導で投げることが今後の課題でしょう」
エンゼルスはただでさえ、投手陣に不安を抱えている。大谷が思った働きができなければ、「先発6人構想」は絵に描いた餅になる。大谷には何が何でも先発として一本立ちしてもらいたい。異例のフォーム指導は、浮上のきっかけをつかめない大谷の現状を見るに見かねた結果に違いない。