大坂なおみ&小平智のツアー初Vが証明した“日本式”の限界
小平智(28)のRBCヘリテージ優勝には多くのゴルフ関係者が驚きの声を上げたが、夢を追い続けてこられたのは父親のおかげと言っても過言ではないだろう。小平は元レッスンプロの父親の影響で10歳からゴルフを始めた。この父親はクラブを握った息子に怒声を上げたり強制的な練習はさせず、ゴルフの楽しさを教えながら伸び伸び育てた。小平は「父親から厳しい指導を受けていたら途中でゴルフをやめていたかもしれない」と語っている。
多くのプロアスリートを指導してきた臨床スポーツ心理学者の児玉光雄氏(追手門学院大客員教授)もこう言う。
「減ってはきていますが、日本では今でも選手をガミガミ叱りながら指導する者が多いため、ジュニアの頃から、戦う相手よりコーチの顔色をうかがうようになる。五輪を開催する国ですから、この現状は変えていかなければなりません。対極な指導者に出会って結果を出したのが女子テニスの大坂なおみです」
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大阪市で生まれたなおみ(20)は、日本人の母親とハイチ系アメリカ人の父親を持ち、3歳で米・ニューヨークに渡り、フロリダを拠点に活動。2013年にプロ転向。WTAツアーの最高成績は16年の東レ・パンパシフィック・オープン準優勝。180センチ、69キロの体格から繰り出す男子顔負けの200キロ超のサーブを持ちながら、ミスにイラついたり、戦意を喪失するなど、不安定な精神面が課題だった。