エンゼルス大谷の指先を蝕むアナハイムの気候と自身の体質
いや、マメに苦しんだのはプロ入り以降に限らない。それ以前の学生時代から、指先のマメには悩まされていた。
大谷の父親はかつて日刊ゲンダイの取材に、「(一関)シニアのときは指先のマメが多かったような気がします。人さし指と中指によくマメをつくっていました。マメの下にまたマメができるのです。なので、風呂に入っても指先を湯につけないようにするとかはしていました」と答えている。
もともとの体質に加えて、乾燥した気候がマメを生む。たかがマメというなかれ。血マメが潰れて皮もベロンとむけてしまうと、薄皮ができるまで2週間程度かかるといわれる。潰れるとやっかいなだけに、球数を投げ込んだり、日頃から中指と人さし指で机をたたいたりして指の皮を厚くする投手もいるが、二刀流の大谷に果たしてその余裕があるのかどうか。無意識のうちに指先をかばおうとして、投球フォームに微妙なズレが生じないとも限らない。
投げて160キロ、打って137メートル弾。スケールの大きさで全米を沸かせている23歳にとって、指先の小さなマメがアリの一穴とならなければよいのだが。