ケガ乗り越え準V 錦織「復活」でグランドスラム狙えるのか
「錦織の大きな問題のひとつは精神面でした。故障している間にチョン・ヒョン(21=韓国)をはじめとする若手が力をつけた。実戦から遠ざかって自信を失っていたでしょうし、自分もやれるという手応えが何より欲しかったはずです。そんな中、2回戦で新興勢力のひとりであるメドベージェフ(22=ロシア)を下し、チリッチやズベレフにも勝った。ニュージェネレーションだけでなく、格上のベテランを下したことで、自分のテニスが通用するという手応えはつかんだでしょう」
世界男子国別対抗戦のデ杯から解放されたことも気力の充実につながった。
昨年4月、デ杯の監督が植田実氏から岩渕聡氏に。その岩渕監督は「錦織君を招聘しなければいけない時期も来るでしょうが、今シーズンは故障の回復に専念し、グランドスラム優勝という念願に向けてツアーに専念できるよう、協会としてもサポートしていく」と明言。
日の丸を盾に錦織をデ杯に引きずり込んでいた協会が、スタンスを変えたことで、「プレッシャーから解放され、自由にやれるようになった」(武田氏)。