ケガ乗り越え準V 錦織「復活」でグランドスラム狙えるのか
4度目の正直とはいかなかった。
男子テニスのモンテカルロ・マスターズ決勝が22日に行われ、世界ランク36位の錦織圭(28)は同1位のラファエル・ナダル(31)に3―6、2―6で敗れた。過去に4大大会に次ぐ格付けのマスターズを制した日本人はいない。錦織がマスターズ決勝に進んだのは2016年7月のロジャーズ・カップ以来、4回目だったが、またしても壁を破ることはできなかった。
昨年8月、右手首腱の部分断裂で長期離脱。今年1月に復帰したものの、世界ランクは自己最高の4位から大きく後退した。しかし、復帰後、ツアー4戦目の今大会は強豪を次々に撃破して決勝に進出した。
「ケガから復帰後はマスターズの決勝に進んだのが初めてだし、タフな1週間だった。ラファ(ナダル)は今週、とても圧倒的だった。いつか、また(ナダルに)挑戦していい試合ができるようにしたい」とは、試合後の本人だ。
「少なくとも右手首をケガする前の状態に戻ったということは言えるでしょう。準々決勝のチリッチ(29=クロアチア、世界ランク3位)戦も準決勝のズベレフ(21=ドイツ、世界ランク4位)戦も、劣勢になり、ダメだろうなというところから盛り返した。追い込まれながら、ネットに出て攻められたのは気持ちが切れていないというか、むしろ気力が充実していたからですよ」と、スポーツライターの武田薫氏がこう続ける。