身内も公然と刃を 日大アメフト内田前監督は“袋のネズミ”
■大学のイメージを著しく傷つけた責任
「米国なら辞任どころか解任。学長以下、しかるべき立場の人たちも含めて学校には残れません」と、アメリカ野球愛好会副代表で法大講師の鈴村裕輔氏がこう続ける。
「11年にペンシルベニア州立大学のフットボールのコーチが、大学の施設内に複数の少年を連れ込んで性的行為を強要していた不祥事が発覚。コーチは逮捕され、隠蔽工作をしていた監督はもちろん、学長、副学長、体育局長まで解任された。米国ではNCAA(全米大学体育協会)が統制をとっていて、厳しい処分を科さないと査問委員会によって加盟校の資格を取り消され、リーグ戦に出られなくなるなど大打撃を受けるからです。元チームドクターが、300人超の女子選手たちに性的虐待を繰り返していた問題で、ドクターが勤務していたミシガン州立大が被害者たちに5億ドル(約550億円)を支払うことで和解したのは、それだけの金額を払うくらいのダメージが大学にはあるということ。大学のイメージを著しく傷付けた当事者の責任はとてつもなく重くなります」
NCAAが仕切る米国の大学スポーツは莫大な放映権料が動くし、半ばプロ。日本とは事情が違うとはいえ問題のプレーはまかり間違えれば殺人だ。指示などの関与も含め、騒ぎを大きくした当事者が大学に残れるなんてあり得ないのだ。