勝利も突然の乱調…阪神藤浪を蝕む“ネガティブ映像”の呪縛
決して喜べない1勝だろう。
27日のDeNA戦で、阪神の藤浪(24)が先発。初回、二回はヒット1本、四球1つと無難な立ち上がりを見せるも、三回に突如崩れた。1番神里から5番宮崎の3ランまで5者連続安打。この回だけで一挙5点を失い、終わってみれば5回5失点だったが、16点もの大量援護のおかげで今季2勝目の“ごっつぁん”だ。
それにしても、藤浪の乱調癖は相変わらず。今季、好投したのは3試合に1回ペース。4月13日のヤクルト戦は7回1失点、去る15日の楽天戦は6回1/3無失点だった。しかも、イニングごとの投球内容、制球もバラバラなのだから手に負えない。
■抜けたボール1球だけでも
評論家の三井浩二氏は「簡単に言ってしまえばイップスですが……」と、こう続ける。
「過去に失敗経験があると、四球1つ、いや、抜けたボール1球でも当時の映像が頭をよぎることがある。『どうしよう、どうしよう』と混乱し、負の連鎖を招くのです。僕は試合ではないが、ブルペンで同様の経験がある。西武ドームのブルペンはグラウンドに隣接している屋外。投球練習中に暴投したボールが柵を越えてグラウンドに入ってしまい、試合を中断させてしまった。『ああ、やってしまった』と思って投球を再開したら、話にならないワンバウンド。その後、しばらくは暴投のシーンが頭をよぎり、ブルペンでまともにボールが投げられなかった」