著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

高校球児の気持ちを尊重するのはプレーヤーズファーストか

公開日: 更新日:

■「格闘技のケースと同じ」

 遅くなったが、ただいま盛況の高校野球を見るにつけ、私の脳裏にこの記憶が思い出される。ご存じ、炎暑による熱中症問題、選手の酷使問題など、昨今の高校野球には医学的な見地に立てば危険な要素が多くあり、甲子園の代替球場案など活発な議論を呼んでいる。

 そういう中で、いつも一定の支持を集めているのが「選手の気持ちを優先すべき」という意見だが、これは先述の格闘技のケースと同じで非常に危ういのではないか。甲子園じゃないと意味がない、甲子園で倒れるなら本望だ。よく考えてみたら、選手がそういう興奮状態に陥るのは当然のことであり、だからこそ大衆の心を打つプレーができるのだろうが、その興奮時に人間の一生を左右するような判断も委ねるのであれば、周囲の大人はなんのために存在するのか。未熟さゆえに命を賭して猛進する高校生の姿は確かに美しいかもしれないが、それは危険と隣り合わせの残酷な儚さをはらんでいるからだ。

 高校野球問題はこれで最後にするが、とにかく選手にはブレーキが必要なのだ。選手の気持ちを尊重することだけがプレーヤーズファーストではない。時にはそれを無視してまでシビアに選手を止めるブレーキ。高野連は、たとえば医師を要職に招いたらどうだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭