金足農・吉田輝星を蝕む「登板過多」評論家も将来を危惧
本人の意思というよりも、「東北」や「秋田」の「思い」であり「期待」が、その右腕に重くのしかかっている。だから「頑張る」というのだが、仮に心身が限界に達していたとしても、投げざるを得ない状況に追い込んだのはだれあろうテレビや新聞を含めたマスコミではないか。
スポーツ紙は金足農で飼育している豚が4強入りを決めた18日に9匹の子豚を産んだのは吉兆だと1面で大騒ぎ。テレビのニュースやワイドショーは秋田の農家から「頑張ってほしい」というコメントを引き出したり、秋田のアンテナショップがバーゲンセールを始めた様子を中継したり……野球とは縁もゆかりもない話題を延々、垂れ流している。そうやって強引に金足農フィーバーを煽ることが、結果として吉田に異常な期待を背負わせているのではないか。
「吉田だって、本当はもう投げたくないかもしれない。けれども、親戚がどうしたとか、地元がこんなに盛り上がってるとか、野球以外のことまで騒がれ、投げざるを得ない状況になっているのですよ。マスコミの報道からは、子供の弱みにつけ込む大人のいやらしさを感じます。金足農で騒ぐのは単に売りたいからでしょう。なのに、それをごまかすために美談仕立てにする。その結果、吉田に過度の負担がかかるとすれば罪作りですよ」