金足農・吉田輝星を蝕む「登板過多」評論家も将来を危惧
ここまで9人で戦ってきた金足農は吉田以外に頼れる投手がいないとはいえ、本人は3回戦の横浜戦後に「朝、股関節が痛くて先発を辞退しようと思ったほど」と告白している。登板過多が股関節をむしばんでいることは想像に難くない。
10年夏に783球を投げて春夏連覇を成し遂げた島袋洋奨(興南=現ソフトバンク)は卒業後、中大に進学。この島袋を1年時に監督として指導した前出の高橋氏はこう言う。
「島袋は高校時代、1週間に2~3回は300球の投げ込みをしていた。大学1年時にすでに筋力はできていたし、スタミナもあった。本人の話では、中学の時に肘を痛めたことはあったが、高校時代にケガをしたことはないと。それでも入学時には左肩に軽い炎症があったため、連投は避けるなど起用法には極力、気を使いました。今の若い子たちは20歳あたりでちょうど大人の体になるという。高校生という成長過程での酷使は非常に負担が大きいのです」
島袋は14年のドラフトでプロ入りするもここまで勝ち星がないのは、高校時代の投げ過ぎと無関係ではないだろう。