金足農にまさかの…横浜の逆転負け生んだ秋の風と投手起用
甲子園は何が起こるか分からない。横浜(南神奈川)が金足農(秋田)に4-5で逆転負け。筒香、倉本(現DeNA)を擁した2008年以来、10年ぶり8度目の8強入りを逃した。
ひと振りで決まってしまった。横浜2点リードの八回裏1死一、二塁から、金足農の6番・高橋が放った打球は風に乗って中越えへ。これが逆転3ランとなった。
夏の甲子園では珍しい風が吹いていた。通常はライトからレフトへ吹く通称「浜風」か、天気が悪い時のレフトからライト方向へ抜ける風だが、この日は秋に吹くセンター方向への追い風だった。
初回の横浜、三回の金足農の攻撃で、いずれも相手右翼手が目測を誤り三塁打にしてしまう。お互いにこれを足掛かりに2点を取ったが、最後に風が後押ししたのは、金足農だった。
ポイントは横浜が先発左腕の板川を引っ張り過ぎたこと。板川はまずまずの投球で、疲れが見えたわけではないが、同じ左腕で及川という切り札がベンチに控えている。板川の直球は133~135キロ。及川は143~145キロ。10キロの差がある。甲子園での采配は石橋を叩かないといけない。七回か遅くても八回のアタマから及川を投入していたら、金足農打線は対応できなかったはずだ。