著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみに完敗 女王セリーナが全米決勝で逆上した真相

公開日: 更新日:

 女子は20歳の大坂なおみが36歳のセリーナ・ウィリアムズを粉砕し、男子はジョコビッチがウィンブルドンに続く優勝で、フェデラー、ナダルの2強時代に終止符を打った――今年最後の4大大会、全米オープンテニスはパワーバランスの崩壊を告げて閉幕した。

 酷かったのが女子決勝だ。セリーナが警告違反を繰り返して紛糾、両者が泣きながらの後味の悪い幕切れになった。セリーナが受けた3つの警告は、コーチング、ラケットアビューズ、暴言。警告2度で1ポイント罰、3度で1ゲーム罰、あれ以上抗議していたら4度目は試合没収だから、慌てて試合を終わらせた。

 問題は最初の警告で、主審は家族席からのコーチの指示を目撃、コーチのパトリック・ムラトグルーもそれを認めた。昔はアイコンタクト(目と目を合わせる)さえ警告になったが、現在はこれくらい日常茶飯事というのが陣営の言い分だ。それは主審の裁量で、違反しているのだから文句を言っても始まらない。セリーナの完敗だった。

 面白いのは、2人のコーチだ。ムラトグルーは他にもシャラポワやディミトロフといった選手を育てた実績満載の人物。かたやサーシャ・バインは大坂なおみが最初のコーチ経験で、それまで長年、セリーナのヒッティングパートナーだった。コーチと比べてヒッティングパートナーは助手、あるいは“丁稚”ほどの立場。セリーナにはそれも気に食わなかっただろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された