河治良幸氏 本田圭佑カンボジア監督初采配をシビアに検証
国際的に驚きを与えた本田圭佑監督(32=肩書はゼネラルマネジャー)が率いる新生カンボジアの初陣は今月10日。東南アジアで急速に力をつけるマレーシアを相手に積極的に攻撃を仕掛け、FKの流れから先制点を奪ったが、後半にセットプレーから同点ゴールを許すとカウンターで逆転を許し、後半アディショナルタイムにもゴールを奪われた。
雷雨で遅延するというアクシデントがあった試合。注目の結果は1―3となったが、本田監督の志向するサッカーの色が早くも表れていた。
代表チームに合流してから本田に与えられた時間はたった5日間であり、早々に技術が上がるわけではない。ただ、選手の意識と姿勢はサッカーの方向性を変え得る。
基本的に本田が志向するのはボールを主体的に持ち、連係プレーを効果的に使いながら相手のディフェンスを崩していく。守備においては、個々の選手が場当たり的に体を張るのではなく、バランスを取りながらチャレンジとカバーの関係をつくっていくことにある。
もともとカンボジアの選手は、縦にボールを運んでゴールを目指す能力はある。そしてボールをつないでタイミングを計り、サイドから2人、3人が絡んで崩していくといった意図をチームで共有することにより、厚みのある攻撃が生まれていく。