ドラ1候補 報徳学園・小園の4失策を真に受けてはいけない
「重要なのは普段の守備がどうかだ。甲子園では見たけど、いつもチェックしてるわけじゃねーからな。日頃からあんな感じなら問題さ」なんてニヤニヤしてる。
じゃ、ウチの関西担当に聞いて確認したのかと思ったら、そうじゃなかった。小園が3失策した韓国戦のネット裏に、たまたま在京球団の関西担当スカウトが3、4人固まってた。試合後、その集団の中に割り込んで行って、
「小園を見たろ? あの体の使い方やグラブさばきじゃ、とてもじゃないが使えねえ。とにかくヒドかったじゃねーか」と彼らに聞こえるような大声で水を向けたそうだ。
「ウチの担当ならいつでも話を聞ける。けど、せっかく日頃から小園を追い掛けてる連中が何人もいたんだ。彼らに聞かない手はないだろう。あれじゃムリだなと言ったオレに、相づちを打つのがひとりやふたりはいると思った。いれば、あんな守備も珍しくないってことなんだが、だれひとり同意しないどころか、シーンとしてた。ってことは、いつもは違う。コンディションの問題か、何か別の理由があって、たまたま宮崎ではミスをしたんだと思ったね」
つまり韓国戦や台湾戦の守備で見限ってはいけないってことさ。部長は他球団の連中にカマかけて、本音を聞き出したようなもんだ。いかにも人の良さそうな顔して、意外と腹黒いからな、ウチの部長は。オレも注意しなきゃ(笑い)。
(プロ野球覆面スカウト)