PSで明らか メジャーの監督に「経験や実績」はむしろ邪魔
巨人の山口オーナーは今回の次期監督人事に関して「経験、実績といったことが必要」と言ったが、経験も実績もお構いなしで成功しているのが海の向こうの大リーグだ。
日本時間19日、アストロズとのリーグ優勝決定シリーズを制して5年ぶりのワールドシリーズ進出を決めたレッドソックス。指揮を執るコーラ監督(43)は就任1年目。現役引退後、解説者を経て昨年1年間、アストロズのベンチコーチを務めただけで老舗人気球団を率い、結果を出した。
同地区・ヤンキースのブーン監督(45)も就任1年目ながら今季、プレーオフに駒を進めた。コーラ監督同様、解説者上がりで、こちらはコーチ経験すらない。
ナ・リーグでドジャースとリーグ優勝を争うブルワーズのカウンシル監督(48)も、監督やコーチ経験はない。
メジャーはいま、フロント主導のデータ野球全盛。データをもとに編成されたチームを、フロントの意向に沿って指揮するスタンスが主流だ。近年、結果を出しているチームほどそういった傾向が強い。長年にわたる経験や実績で培ったベテラン監督の勘やひらめきはむしろ邪魔だそうだ。
ちなみに日本にもメジャー同様、「グラウンド内までフロント主導」を実践している球団が中にはあるが、だから勝てるわけではない。勝つにはドラフトや育成を含めたチームづくり、グラウンド上の選手起用や戦略が的確であることが大前提なのは言うまでもない。