お家芸の足封じられ…崖っぷちの広島が温める起死回生の手
第5戦で劇的なサヨナラ本塁打を打った柳田も序盤は沈黙した。打率.278とパ・リーグ首位打者にしては寂しい数字だ。それだけ広島バッテリーがソフトバンク打線の「核」を抑えていることになる。広島の畝投手コーチはこう話す。
「日本シリーズで意識しとるのは、徹底して先頭打者を出さないこと。シンプルじゃけど、短期決戦だから、先発投手には初回から攻めの投球で行けと言っている。初回の“入り”が大事。(第4戦で先発した)野村にも『初回から飛ばして積極的に行け』と言った。投球自体はアウトサイドとインサイドの投げ分けができたら問題ない投手。あとはどれだけ相手を攻め込めるかで変わってくる」
王手をかけられている広島だが、チーム打率を比べると、ソフトバンクが.234なのに対し、広島は.263。打ちあぐねているのは、むしろソフトバンクの方だ。総得点も広島20点、ソフトバンク21点と拮抗している。今季の課題だった広島の投手陣が、日本シリーズでは「武器」でもある。
「足」が使えず得点に結びつかないからこそ、「投」で失点を抑えて勝機を見いだすというのだ。