巨人は抑えに外国人を物色中だが…私なら上原を指名する
特に抑えの場合、150キロを超えるストレートを投げられる、三振を取れる決め球がある、というのが重要な要素ではあるが、それだけでは務まらない。制球力はもちろん、クイックやフィールディングの良し悪しも問われるし、精神的なタフさも必要だ。試合の決着を託すわけだから、こいつで負けたら仕方がないと思える信頼感が、何より必要だ。
それを、日本での実績がない新外国人に求めるのは、そもそもムリがある。
私なら、巨人と再契約した上原浩治を抑えに指名する。今季は36試合に登板して0勝5敗、防御率3.63。中継ぎとして試合をひっくり返される場面が少なくなかった。全盛期の力がなくなったと見る向きもあるが、今季の成績が振るわなかったのは、今年の巨人ベンチの使い方にも原因があると思っている。日米でストッパーを務めた上原には、その実績にふさわしい役割というのがある。例えば、相手にリードを許している展開で中継ぎのマウンドに上がっても、彼の「格」は生きない。相手に「なんだ、こんな場面で出てくる投手か」と見下ろされ、それだけで精神的にハンディを背負う。本人は役割に関係なく全力投球するだろうが、やはりしびれるような場面とそうでない場面では、ボールの勢いもキレも変わる。それが、投手というものだ。