引退の稀勢の里を支える“太いタニマチ”と6000万円の退職金
「引退」の2文字がどれほど重いものか、本人にしかわからぬ心境があったのだろう。
横綱稀勢の里(32)が16日、引退会見を行った。
「私の……土俵人生において一片の悔いもありません」
と話すも涙をこらえきれず、時折、言葉に詰まる場面もあって、会見場は悲愴感に包まれた。
■早くも物件探し
2017年1月場所を初優勝で飾って横綱に昇進し、翌3月場所で連続V。しかし、13日目の日馬富士戦で左大胸筋と左上腕筋を損傷し、以降はこのケガに苦しんだ。この年の5月場所から途中休場を含め、横綱のワースト記録となる8場所連続休場。横綱審議委員会から不祥事以外で「激励」を受けた横綱は初めてだ。
今場所も初日から3連敗とあっては、土俵を去るしか道はなかった。
「このまま潔く引退するか、残ってファンのために相撲を取るのか、いつも稽古場で自問自答していた」
と話した稀勢の里。今後は荒磯親方として、田子ノ浦部屋の部屋付き親方になるというが、ある親方は「師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)との関係が良くない。早いところ独立したいだろう。事実、独立のために物件を探しているらしいよ」と言う。