トランプ政権の“壁”乗り越えてメキシコに歩み寄る大リーグ
67年にはAAA級に昇格したものの、LMBがマイナーリーグであることに変わりはない。そして、大リーグ球団が傘下のマイナーリーグ球団から選手を昇格させる際に球団に対して契約金の一定額を一時金として支払うことがないように、LMBも選手が大リーグ球団と契約しても、従来所属していた球団に金銭が支払われることはなかった。
それだけに、大リーグ機構とLMBは歴史的な関係の見直しを行ったことになる。
■経営者の意欲が低下
今回の措置は、大リーグ機構の危機感の強さを示すものでもある。伝統的にサッカーが盛んなメキシコでは現在、野球に対する支持が低下しており、市場の開拓と観客の獲得が重要な課題となっているのだ。
これまでのように、どれだけLMBの球団が優秀な人材を育成しても、大リーグ球団が対価を支払わずに選手を引き抜けば、経営者の意欲は低下するし、人気選手の不在が経営に悪影響を及ぼしかねない。
しかし、これからは新協定の締結によって一時金が支払われることで、経営者の意欲は向上するし、設備投資のための費用も得られることになる。