右足負傷の栃ノ心 春巡業好調も“大関特例”へ高いハードル
チャンスを生かせるか。
3月場所で7勝8敗と負け越し、大関の座から陥落した栃ノ心(31)。八王子で行われた10日の春巡業では御嶽海と朝乃山と計11番を取り、全勝だった。
「やれることをやるだけ」とは本人の弁だが、負傷している右足の状態は良くはない。昨年7月場所で右足親指を痛めると、今年1月場所前に太ももの肉離れ。ケガの連鎖に苦しんでいる。
大関は陥落した直後の場所で2ケタ勝利を挙げれば、元の地位に復帰できる特例がある。とはいえ、過去、この特例で復帰した大関は三重ノ海、貴ノ浪、武双山、栃東の4人だけ。近年は2017年の照ノ富士、琴奨菊、14年の琴欧洲、13年の把瑠都が挑むも、2ケタに届かず、大関復帰を果たせなかった。
そもそも、2場所連続で負け越して大関陥落ということは、ケガや不調などで苦しんでいる証明。そんな力士にとって、2ケタ勝利は高いハードルとしてそびえたっている。
栃ノ心にとって、5月場所は正念場となりそうだ。