大関昇進の貴景勝「押し相撲に横綱なし」の通説覆す条件は
「大関の名に恥じぬよう武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります」
シンプルながら、決意と人となりが伝わってくるような口上だった。
27日、貴景勝(22)が伝達式の使者を迎え、理事会の全会一致で正式に大関に昇進した。
2014年の初土俵から28場所目での大関昇進は、年6場所制となった1958年以降、史上6番目のスピード出世。この勢いで横綱も……と言いたいところだが、押し相撲一本では容易なことではない。
押し相撲を武器にした横綱が過去、いなかったわけではない。まず思い浮かぶのが北勝海(現八角理事長)だろう。しかし、こちらは四つに組んでも強かった。
大関でも近年は千代大海(現九重親方)が突き押しを武器にしていたものの、昇進後は左四つを習得。
本人いわく「四つは序二段レベル」でも、相撲の引き出しが増え、さまざまな相手に対応できるようになった。