千代の富士はスパッと…「引き際の美学」はプロでは遺物か
「令和でも3年、5年を目指す」
2日の春巡業中、こう話したのが横綱白鵬(34)だ。
大相撲も現役寿命が延びているとはいえ、34歳は力士としては若くない。最高齢横綱は吉葉山の37歳だが、これは戦前の話だ。年6場所制となった1958年以降は栃錦と千代の富士が35歳で並んでいる。
白鵬は昨年から2度優勝したものの、8場所中5場所を休場するなど衰えも顕著である。
そんな白鵬とは対照的に、スパッと現役に見切りをつけたのが千代の富士だ。1991年5月場所で「体力と気力の限界」を理由に土俵を去り、ファンに惜しまれながら引退した。引退する前年の11月場所で優勝したにもかかわらず、だ。
こうした潔さは白鵬にはないようだが、スポーツ界を見渡せば往生際の悪いと言わざるを得ない選手が何人もいる。
その現在進行形が、J2横浜FCの三浦知良(52)だ。ピッチを走り回る体力は激減。今季の出場はわずか1試合と、サポーター集客にすらなっていない。それでも日本サッカー界にとっては大いに貢献したレジェンドのため、誰も「引退すべき」とは言えないのだ。