プロ1号の楽天ドラ1辰己はオーナーご執心の意識高い系
6日の西武戦で楽天の辰己涼介(22=立命大)がプロ1号となる同点ソロアーチ。パ・リーグの新人ではオリックス・頓宮に次ぐ2人目となる一発でチームを勢いづかせ、連敗を4で止めた。
「やっと出たって感じ。素直にうれしいです」
開幕1カ月で訪れた「プロの壁」にも動じなかった。開幕3戦目で初スタメンに抜擢されながら徐々に出場機会が減り、4月22日には二軍落ち。
ファームで実戦経験を積んで結果を出す一方、感覚に頼りがちだった走塁面はコーチ陣から徹底指導を受けてプロ仕様に変えた。
出身は2004年春のセンバツで1度しか甲子園の土を踏んでいない兵庫県立社高。本人も“聖地”とは無縁だったが、プロ入りに照準を合わせ、普段の練習から試合では使用しない木製バットを黙々と振り続けた。時に金属の打ち方を忘れるほど、プロへの意識を高めていたという。
この日、観戦した三木谷オーナーは「走攻守揃った期待の星。大きく育ってほしい」と絶賛。振り返れば辰己は、同じく“御前試合”となった開幕3戦目のプロ初打席で四球を選んで初打点。初安打、初盗塁も決めていた。旺盛な向上心を含め、オーナーのハートをがっちりつかんでいる。