2020年米大統領選は「若者の野球離れ」を食い止められるか
こうなると「米国第一主義」のトランプと「大企業叩き」の民主党の候補が対決し、どちらにしても米国の将来は混迷の度合いを深めそうだ。トランプより4歳年長で、面白みに欠けると考えられていたバイデンが民主党の最有力候補となったのも、上院議員や副大統領を務めた堅実な手腕が高く評価された結果でもある。
■卒業後のローン地獄
その一方で、財源の問題はあるものの、民主党の候補者が掲げる「公立大学無償化」などの政策は大リーグを含む米国のプロスポーツ界にとって必ずしも悪い話ではない。ハーバードやマサチューセッツ工科など、米国を代表する私立大学の学費は年額で500万円を超えるし、4年制の州立大学でも学費の平均は100万円以上だ。
周知の通り、米国では学費を奨学金や金融機関からの借り入れで工面する学生が多い。中には在学中から返済の義務のある奨学金に頼ったために返済に苦労したり、卒業後に「ローン地獄」に陥る事例が頻発している。
そのような若者にとって、入場料が高騰する大リーグの試合を観戦する機会は減少する一方だ。