ソフトB交流戦8度目V 工藤監督の采配ズバリで“一挙両得”
上林をスタメン落ちさせるのは簡単でも、それでは問題の先送りにしかならないというわけだ。
目先の勝利にこだわらないのは、投手起用も同じだ。18日のヤクルト戦、3点リードの九回にルーキーの甲斐野央(22)を登板させるも、1安打3四球とメロメロ。押し出しで1点を失い降板した。そんな新人を20日、今度は1点リードの九回で再びマウンドに上げた。甲斐野が3者凡退でプロ初セーブをマークしたから良かったものの、一歩間違えれば交流戦優勝が遠のく“バクチ”だ。
倉野投手コーチは「もちろんリスクはあった」と、こう続ける。
「でも、リスクばかり考えては(選手が)成長しない。これが9、10月なら考えも変わる。交流戦優勝がかかっていた試合だったけど、リスクがある分、成功したときに得るものも大きいからね」
甲斐野も「(リリーフに失敗した)18日はフワフワした感じだった。でも、高村投手コーチに『九回だからといって、やることは変わらんやろ。いつも通りやってこい』と言われて、余計な考えが頭から抜けた」と話している。