朝乃山不発で3連敗も…上位陣の“包囲網”は認められた証し
またもや不完全燃焼だった。
先場所で初賜杯を抱いた朝乃山(25)が、2日目から3連敗。10日は大関高安の下手出し投げで土俵に転がされた。
これで1勝3敗。初日から大関横綱戦が続くのは自身初とあれば、この成績も無理はない。何より、朝乃山は得意の左上手を、今場所はまだ一度もまともに取らせてもらっていないのだ。
朝乃山は右四つで左上手を取ってこそ力を発揮するタイプだが、かろうじて「上手を取れた」と言えるのは初日の豪栄道戦のみ。勝ったからいいものの、すぐにまわしを切られている。
ある親方は「それだけ上位陣に警戒されている」と、こう続ける。
「朝乃山は、前に出る圧力、馬力は目を見張るものがある。まわしを取られたら、それこそ横綱大関ですら危うい。だからこそ、彼らはいかに朝乃山に上手を取らせないかを徹底している。豪栄道は途中で左上手を取られたとはいえ、立ち合いでは警戒していた。2日目の白鵬も立ち合いで自身の右を固め、その後も巧妙な立ち回りで朝乃山の左上手を封じた。鶴竜に至っては、まともにぶつかることを避けていたくらいです。高安の勝因も、右四つにはなられても左上手を与えなかったことに尽きる」