ウィンブルドンJr.制覇の望月 真骨頂はSFでの“心臓の毛”
「驚いたのは準決勝の戦いぶりです。ファイナル・セットは望月が5-2とリード。相手サーブでも30-40のマッチポイント。勝利は目前でしたが、ここで決められず、結局、4度あったマッチポイントを逃した。ウィンブルドンのファイナル・セットはタイブレークがない。7-7のサービスゲームを落とし、次のゲームで逆にマッチポイントを握られた。完全に負けパターンです。松岡修造やボリス・ベッカーを育てたボブ・ブレット氏はかつて『負けることを恐れるな』『勝つことを恐れるな』と禅問答のような教えを説いた。望月は修造チャレンジでブレット氏の指導もうけている。望月は『負けを』恐れず、ラリー戦で果敢にネットにつき、8-8と追いつく。第17ゲームは0-30からキープし、第18ゲームは相手がプレッシャーでサーブが入らずブレーク。勝負を決めた。16歳とは思えないメンタルの強さと勝負度胸でした。最後は『勝つこと』を恐れず、大舞台で頂点に立つチャンスが来たらビビらず攻めた。ブレット氏の教えを大舞台で実践しました」
■「あまり調子に乗らず」
塚越氏は専属コーチの指導力も大きいという。