首位打者の高橋周平が離脱…中日を待ち受ける厳しい夏場
「俊敏さに欠ける選手なんだが、それにしても不運だな」
中日OBがこう言ったのは、高橋周平(25)のことだ。
16日の阪神戦で、一塁走者として帰塁の際、ヘッドスライディングで右手小指を負傷。球団は検査の結果、右小指橈側側副靱帯断裂と診断されたと発表した。
2011年のドラフトで3球団の1位指名が競合した末、中日に入団。6年間は鳴かず飛ばず。結婚2年目で子供ができた昨季は128試合に出場し、打率・254、11本塁打、69打点の数字を残し、主将に任命された今季はリーグトップの打率(・319)でチームを引っ張っていた。
前出のOBが言う。
「周平には歴代の打撃コーチが口を酸っぱく言い続けてきたことがある。スイングは振り出しが大事ということです。ところが、それがわからないから漠然と打っていた。今季は『投球に反応するポイントがやっとわかった』とコメントしていたので、これで一皮むけると思っていたら、昨年までとは別人のように打ち始めた。それがここにきてこの大ケガだろ。(阪神の)梅野は一塁牽制がうまい。油断していたわけではないだろうが、『それを頭に入れておけば……』と、今更ながら悔やんでいるんじゃないか」
今のチームに周平の代役はいない。この日は4年ぶりの7連勝に沸いたが、中日には苦しい夏の戦いが待っている。