12勝で合格では限界…横綱白鵬が計る「引退」のタイミング
■四つ相撲にもキレがなく…
相撲の王道ともいわれる四つは、押し相撲以上にパワーと体力が要求される。立ち合いから速攻で寄り切るならともかく、相手に粘られたらじわじわと体力を消耗する。白鵬の星取表を見ると、近年は中日の折り返しあたりから、寄り切りが増える傾向にある。つまり、強敵相手の後半戦のため、序盤は体力の消耗を抑えているのだろう。
「ただ、その四つ相撲も以前ほどのキレはない。顕著だったのが14日目の琴奨菊戦です。白鵬は立ち合いで右を固めて相手の左差しを封じようとするも、巻き替えでバタついて左を差されてしまい、前みつまで与えてしまった。こうなると琴奨菊得意のがぶりの型。白鵬は何とか右上手を探るも届かずに寄り切られた。優勝がかかっていたので慎重に四つ相撲で仕留めようと思ったのだろうが、勘も鈍っているのかもしれない。先場所負傷した右腕のケガの影響? とっくに完治してるでしょ。その右腕で妙義龍の頭を引っかけるようなダメ押しをしているんだから、影響なんてあるはずがない」(ある親方)
スピードを生かした相撲では他の力士の追随を許さないとはいえ、それだけで今後も勝てるかは疑問。1場所休んでは優勝し、また次の場所を休場……というパターンも今場所で崩れた。このままでは、じり貧だろう。