12勝で合格では限界…横綱白鵬が計る「引退」のタイミング
東京五輪まで持たないかもしれない。
横綱鶴竜(33)の6度目Vで幕を閉じた大相撲7月場所。22日の優勝一夜明け会見では、「最高の気分」と満面の笑み。さらに「日々、成長をしたいという気持ちは変わらない」と、決意も新たにした。
一方、後輩の後塵を拝したのが白鵬(34)だ。14日目を終えた時点で2敗。千秋楽で1敗の鶴竜に勝てば優勝決定戦に持ち込めたものの、がっぷり四つに組みながら寄り切られた。
12勝3敗は横綱としては申し分ない成績とはいえ、無敵を誇った白鵬にしては物足りない数字。そこで気になるのが、決まり手だ。白鵬がもっとも得意としているのは寄り切り。全盛期は年に30番前後、この手で勝ったことがある。それが今場所はたったの2番。12勝中、1勝は不戦勝として、残り9番は引き技や投げ技で、盤石の寄りは影を潜めている。
相撲評論家の中澤潔氏は「大関戦がなかったからでしょう」と、こう続ける。
「白鵬は相手が手ごわいと判断した場合、慎重に組んだ上で相撲を取る。それが、今場所は大関とは一回も当たらなかった。先場所で大ケガを負った貴景勝は仕方ないとしても、残る3人は全員、場所中に離脱している。昔は場所中のケガは恥と言われたもの。つまるところ、稽古不足です。普段の稽古をしっかりやっていないから、いい加減な相撲を取って負傷してしまう。白鵬は今場所、9番が平幕相手。そこまで警戒する相手もいなかったのではないか。もちろん、白鵬が衰えているのは事実です」