独立L「機械判定」「一塁への盗塁」導入は大リーグの実験
ビデオ判定を公式戦に導入する前には審判の権威の低下や試合の遅延などが懸念されたものの、導入後に審判の権威の著しい低下や試合時間の顕著な遅延は認められていない。さらに、14年からはビデオ判定の範囲を拡大し、監督及び審判に判定の内容の審議を要求する「チャレンジ」の権利が与えられており、機械を判定の補助に用いることは米国球界の常識となっている。
しかし、ABSの場合では審判の役割は機械の判定の補正であり、これまでの主従が逆転したことになる。
■レーダー追跡技術を提供
それでも審判を含む関係者から異論が起きないのは、機械の活用が日常的な米国球界のあり方とともに、ALPBの置かれた状況も見逃せない。
ALPBは、現存する米国プロ野球の独立リーグとしては93年創設のフロンティア・リーグに次ぐ歴史を持っているものの、知名度も存在感も決して高くない。
そのような中で、今年2月にALPBは大リーグ機構と提携し、ALPBでの新しい規則の適用や装置の実装で合意している。