独立L「機械判定」「一塁への盗塁」導入は大リーグの実験
すなわち、大リーグ機構側はABSの前提となるレーダー追跡技術をALPBに提供しており、ALPBは大リーグのために機械判定の実績を積んでいるのだ。
また、ALPBは「一塁への盗塁」が可能になるなどの新規則を今季後半戦から導入した。「一塁への盗塁」は常識外れとも言うべきもので、大リーグでは導入の方針を表明した時点で計画が頓挫しかねない。
一方で注目度の低いALPBなら、野球の概念を崩しかねない規則の成果を試しても寄せられる批判の数は少ない。「激しい競争の中で野球の将来にとって最高の計画の実現を期待する」という大リーグ機構上級副社長モーガン・ソードの発言は、ALPBという実験場なしには成り立たないのだ。
(野球文化学会会長、名城大准教授・鈴村裕輔=隔週月曜掲載)