大活躍する大物日系ルーキー「ヒウラ&ヤマモト」の可能性
日本の名字を持つ日系人大リーガーは、これまでに10人誕生しているがレギュラー級になったのはアスレチックスやツインズで正捕手を務めたカート・スズキ(ハワイ出身の日系3世、現ナショナルズ)だけ。それ以外は、控え選手で終わっている。そんな寂しい状態に今、ピリオドが打たれようとしている。今年5月以降、主砲級、エース級に成長する可能性を秘めた日系3世のルーキーが2人、相次いでメジャーに昇格して華々しい活躍を見せているのだ。ブルワーズの二塁手ケストン・ヒウラ(22歳)とマーリンズの先発右腕ジョーダン・ヤマモト(23歳)である。
■昨年の大谷を凌ぐペース
ヒウラのウリは並外れたパワーだ。5月14日にデビューして20日間ほどメジャーに在籍した際には、64打数で5本塁打を記録。12.8打数に1本という生産ペースは昨年の大谷翔平を凌いでおり、評価が急上昇した。ブルワーズは内野にオールスター出場経験のある大物がひしめいているため、ヒウラはいったんマイナーに戻されたが、その後、3Aで9.5打数に1本という驚異的なペースで一発を量産したため、ブルワーズは6月27日に中心打者のひとりであるトラビス・ショウをマイナーに落とし、ヒウラを再昇格させてセカンドのレギュラーに固定した。ショウは今季スランプとはいえ、一昨年と昨年、2年連続で30本塁打以上を記録した強打者である。それを落としてヒウラを抜擢する決断を下したのは、毎年30本以上を期待できるパワーを備えていると評価しているからだ。