司法も腐敗…殺人が無罪になるドミニカ球界の無法地帯ぶり
2016年限りで引退した大打者デービッド・オルティスが先週、ドミニカ共和国に帰国中に野外バーで銃撃される事件があった。銃弾が腹部を貫通したものの、幸い急所を外れ一命は取りとめたが、この事件は改めてドミニカの無法地帯ぶりを示すことになった。
すでに実行犯グループ7人が拘束され、彼らが黒幕から8000ドル(約88万円)の報酬で銃撃に及んだことが判明しているが、背後関係、動機が何であったかは謎のままだ。
ニューヨーク・ポスト紙は、ドミニカ高官の話として、オルティスが警察関係者の夫人に手を出したことが知れ、報復を受けた可能性があると報じている。真偽のほどは定かではないが、あり得ぬ話ではない。ドミニカの司法や警察は腐敗がひどいことで知られるからだ。
■「新年を祝って暴発」でまさかの無罪
この国では拳銃で人を殺しても、カネとコネがある者は罪に問われないことがある。11年の元日未明、当時オリオールズの投手だったアルフレド・サイモンはドミニカで行われた年越しパーティーで、酔っぱらっていとこの男性と口論になった際、射殺してしまった。サイモンは慌てて現場から逃走したが、2日間、逃げ回った後、メジャーリーガー仲間の説得で自首して殺人容疑で逮捕された。