大船渡・佐々木にU18抑えプラン 星稜・奥川に先発酷使懸念
「地方大会中、全国を行脚しながら視察を行っていた永田監督は『この大会はとにかく勝たなきゃいけない。将来性より何より、今戦力になる勝てる選手をメンバーに選びたい』と力説していたそうです。潜在能力はともかく、奥川が佐々木と決定的に違うのは、甲子園常連校で鍛えられていること。昨夏、2年生でただひとりU18メンバーに選出された経験値に加え、現時点での実力や完成度も『高校四天王』の西(創志学園=岡山)や及川(横浜=神奈川)より上。永田監督は佐々木ではなく、奥川を中心とした先発ローテを組むはずです」(前出の関係者)
これまでの「U18」でも、歴代の監督はエースをフル回転させてきた。
花巻東の大谷(エンゼルス)が岩手大会準決勝で160キロをマークして話題になった2012年。世界選手権で指揮を執った日大三(西東京)の小倉監督がいい例だ。
「初戦のカナダ戦に先発した大谷が3失点して試合に敗れると、すぐに見切りをつけた。制球が安定せず、勝てる投手ではないと判断したからです。小倉監督はそれ以降、大谷ではなく、甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭・藤浪(阪神)を中心としたローテを組んだ。甲子園の決勝まで投げていて疲労が残っているのは百も承知。それでも強豪校で鍛えられているし、何より勝つことを優先した。大谷は打者に専念させ、次に投げさせたのは、最終戦となった5、6位決定戦でした。16年夏の甲子園を制した作新学院(栃木)今井(西武)もしかり。甲子園後のアジア選手権で指揮を執った元・拓大紅陵(千葉)の小枝監督(故人)も同様で、今井をフル回転させた。疲労困憊にもかかわらず、試合前のブルペンで100球以上の投球練習をする今井を誰も止めなかった日本ベンチに仰天したメジャースカウトは『人殺し!』って叫んでいたほどです」(プロ球団スカウト)
奥川も中日をはじめとした複数球団が1位候補に挙げる逸材だけに、プロのスカウトはヒヤヒヤしながら起用法を見守ることになりそうだ。