史上最強の呼び声も…前代表HCが見た“八村ジャパン”の死角
「八村不在の際の攻守両面が課題として挙げられます」と、前男子日本代表HCの長谷川健志氏がこう続ける。
「ドイツ戦では、八村がベンチに下がっている間、オフェンスのリズムが悪いことが何度かありました。得点力のある八村がいない時間帯は、特に激しいディフェンスから、ガード陣も含めてリバウンドに絡み、トランジション(攻守の切り替え)、ファストブレーク(速攻)で得点を伸ばしたい。渡辺、馬場(SF)、比江島(SG)ら攻撃力のある選手が積極的にスコアを取りにいくべきです」
八村がメンバーから外れた25日のチュニジア戦では、第1クオーターだけで8本のターンオーバー(攻撃側のミスによる攻守の入れ替わり)を喫するなど、拙攻が目立った。
「エースの不在時こそ、ペイントエリア(ゴール周辺の制限区域)への積極的なアタックが必要になります。あのエリアにボールを運べば、相手の防御陣が崩れ、アウトサイドがフリーになる。当然、3ポイントシュートのチャンスが生まれるし、相手のファウルを誘う可能性も高まります。今の日本には渡辺を筆頭にペイントアタックができる選手が増えています。攻撃の選択肢を増やすためにも、スペースがあれば、アグレッシブにエリアに仕掛けた方がいいと思います」(長谷川氏)