元代表主将・林敏之氏観戦記 歴史的勝利の最大の要因は…
ジャパンペースで試合を進めることができたことが、世界ランク2位の強豪から勝利を手繰り寄せる結果となった。
アイルランドは、大会初戦でスコットランド相手に27―3という一方的なスコアで快勝した。
まさか「次の日本戦もイケる」と気が緩んだわけでもないだろうが、選手の動きが緩慢に思える場面もあり、ホンの少しだけ<心に隙>があったのではないだろうか?
主審にもジャパンは助けられた格好だ。オーストラリア人のガードナー主審は、もちろん公平中立を保った上でのジャッジメントだったが、要所で「ジャパン側に優しい」と感じさせるシーンがあった。開催国チームに対する敬意なのか、世界トップ級の相手に善戦しているジャパンへの応援なのか、それとも両方か? いずれにしてもジャパンの勝利を“アシスト”したと言ってもいい。
武蔵野陸上競技場ではアイルランド戦に先立って「クラシックワラビーズVSクラシックジャパン」の試合があった。
オーストラリア代表と日本代表のOB同士のエキシビションマッチである。集まった日本代表OBは70人を超え、合計キャップ数1400というチームの主将を任命された。集まった5500人のファンの皆さまにラグビーの楽しさを伝え、アイルランド戦勝利という歴史的快挙に少しだけ花を添えられ、代表OBとしてうれしく思う。