ラグビー日本代表WTB福岡堅樹 “スピードスター”のルーツ
「ベートーベンとかショパンとか弾きますからね。変幻自在のステップは、ピアノで培ったリズム感のおかげ、と本人は言います。親指と小指が凄い開くんですよ」(平川会長)
中学3年の試合でスライディングをしながらトライをする際、グラウンドのくぼみにはまって足を骨折した。福岡高2年時には、左膝の前十字靱帯を断裂。その後も右膝を痛めるなど、キャリアはケガとの闘いの歴史といえる。
福岡高時代に両膝の手術を行った「まえだ整形外科 博多ひざスポーツクリニック」の前田朗院長(57)が次のように証言する。
「最初の出会いは(高校)2年の夏。左側の靱帯をケガした時、チームドクターから診てくれないかという依頼を受けました。僕が大阪大学医学部出身で、福岡選手のお父さんが大阪大学歯学部卒。4学年離れてはいますが、そういう縁があったかもしれません」
前田院長が続ける。
「右膝の手術をして5月頃に戻ってすぐ反対側をケガした時は一緒に落ち込みましたね。僕は『なったものは仕方ないから、今からどうするのか決めていこう』と話をしました。最後にゆっくり会って話したのは今年の正月明けくらい。『いよいよだね。ここから先はもうケガせんといてよ。もうアカンからね』と言うと笑っていました。唯一、スコットランド戦(13日)のチケットが手に入ったので、見に行って応援しようと思っています」