ラグビー日本代表WTB福岡堅樹 “スピードスター”のルーツ
■「スタミナがないから“ウルトラマン”」
福岡高ラグビー部で顧問を務めた牟田口享司教諭(現・柏陵高=保健体育=57)が当時をこう振り返る。
「自分で物事を考えて進める性格。両膝をケガした時も、普通はトレーナーやドクターからメニューをもらっても自分だけではできないので、我々とチェックしながらやるんですが、彼の場合は近くのジムに行って自分でこなしていました。計画的に物事ができる一方で、負けん気は強く、だからこそケガをしても人に負けたくないという気持ちでここまでやってこられたのだと思います。昔から体が小さかった。ステップを駆使しても組織でディフェンスしてくる時は(相手を)抜けなくなることもあって、コンタクトを強くしないといけない。パワーはあったけどスタミナがなかったので、よく冗談で『ウルトラマンみたいだな』と言っていたんですが、特に2年の夏合宿でケガをしてからは、取り組む姿勢が変わりましたね。技術だけでは持久力をカバーできないとなって、体を大きくするトレーニングを続けて弱点を克服していました」