藤浪再生に奮闘 山本昌フィーバーは虎お得意の目くらまし
矢野監督に言わせれば、成果は100点に近いそうである。
19日、阪神が秋季キャンプを打ち上げた。中でも注目を集めたのは、中日OBのレジェンド、山本昌臨時コーチの奮闘ぶりだ。初日から身ぶり手ぶりを交え、若手中心の投手陣に惜しげもなく技術や知識を伝授。16、17日は所用で一時離脱したものの、翌日には再合流していた。
もっとも注力していたのが藤浪の再生だ。重度の制球難に陥る右腕にチェンジアップを教え、リリース時に手首を立て、上からボールを叩けるよう、腕の振りの改善を促した。中日時代の後輩である川上憲伸氏のカットボールの握り方も伝えるなど、アノ手コノ手で背中を押した。
とはいえ、藤浪は17日の紅白戦は2回3安打3失点、2つの四球を与え、1暴投。復活への道のりは遠い。
「山本昌は来春キャンプも参加する予定というが、シーズン通して指導できるわけではない。今回の取り組みを一過性のものにしてはいけない」とは、とある阪神OB。
「阪神という球団は、マスコミやファンから厳しい声が出そうになると、問題から目を背けさせるための“話題作り”をよくやる。例えば、和田阪神が巨人に大差をつけられ2位に終わり、CSでも3位広島に敗れた2013年。和田監督やフロントの責任問題に発展しかねなかったが、すぐさまミスタータイガースである掛布雅之を『打撃コーディネーター』として招聘。25年ぶりの古巣復帰で秋季キャンプは大いに盛り上がった。