高安ら9力士が冬巡業休場 ケガ人続出は「負ける稽古」不足
右を見てもケガ人、左を見てもケガ人。まるで病院の待合室である。
27日、相撲協会は豪栄道や高安ら9力士が、12月1日から始まる冬巡業を休場することを発表した。9人はいずれも11月場所を負傷休場した力士。巡業に出場できないのも無理はないだろう。
昨今、巡業の多さが力士の負傷につながっているという意見が少なくない。巡業が最も多かったのは、若貴ブームに沸いた1992年の年間93日。今年は79日で、昨年は最盛期に匹敵する91日だった。
巡業を減らせばケガ人も減るかといえば、そんな単純な話でもない。当時と現在では、力士の平均体重が違う。9月場所前に計測した最新のデータでは、幕内力士の平均体重は162・6キロ。90年代前半は150キロ前後だった。
重くなればなるほど体への負担は増える。確かに巡業を減らせば、体力的な問題は改善されるだろう。その一方で、大型化による突発的な負傷のリスクは変わらない。
古株の親方は「ケガをしないための稽古もある」と、こう続ける。