妻の優佳氏が見た瀬戸大也 リオの屈辱で体への意識が変化
勢いに任せた行動にストップをかける
アスリート同士の結婚だが、自宅では競技の話をほとんどしない。
「水泳の話題は『練習どうだった?』『疲れた』くらい。メンタルは、すごく強いですね。『疲れた』というのも、愚痴じゃなく『きょうこれだけ頑張れた』という意味。ただ、リオのときはさすがに落ち込んでいました。それでも自分で切り替えていたので、さすがだなと。(瀬戸の)ご両親がポジティブな方で、常に声かけをしていましたし、今でもポジティブな言葉を口にしているようなご家族なので、そういう教育を受けて今のメンタルがあるんじゃないかなと思います。(育児など)こっちの愚痴を言ってしまうこともあるけど、落ち着いて考えてみると本人のしんどさに比べたら大したことじゃない。むしろ主人のポジティブな考えに助けられているし、落ち込んで悩みを相談しても、すごくポジティブに返ってきます。根拠のあるポジティブというか、具体的に話してくれるので、自分も納得できてすっきりできる。ありがたい存在です」
一方、勢いで行動する一面も。そのときは妻の出番。瀬戸は早大を卒業した17年の4月にANA所属のプロスイマーになった。その際、進路相談を受けたという。
「プロに関しては、不安はまったくなかったですが、(瀬戸は)結構、勢いでいっちゃうタイプ。自分はまず考えて理論的に答えを出して行動するタイプなので真逆です。私が『ちょっと待って。こういうリスクがあるから』とアドバイスして、本人も一度立ち止まって考えたり。私は逆に考えすぎちゃうので、話すと『考えすぎだよ。まず、やってみな』と言ってくれる」
■「東京の次」は…
瀬戸は東京五輪を「集大成」とし、2020年での現役引退を示唆する言葉も口にしている。“東京の次”について家族会議では……。
「家族として(将来)どうありたいかという話はするけど、競技や仕事をどうするかというのは考えないように、あまり話し合わないようにしています。気持ちがそっちにいっちゃうと困るので。東京五輪後のことは成績によってという面もあると思う。今は東京だけを考えています」