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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

「辞める」発言も…鳥谷敬の現役引退が現実味を帯びてきた

公開日: 更新日:

 このように、近年ではNPBだけでなく独立リーグも移籍先の選択肢に入ってくるわけだが、果たして鳥谷はどうなるのだろう。先述した番組では「(他球団から)声がかからなければ辞める」と発言していただけに、彼の頭の中に独立リーグの選択肢はないのかもしれない(ここでの他球団とはNPB限定と思われる)。ならば、鳥谷引退も現実味を帯びてくる。

■独立リーグの選択肢は…

 確かにこれまでの鳥谷を考えると、日の当たらない独立リーグで若者にまじって泥くさく汗を流す姿はあまり想像できない。大学時代からずっとエリート街道を走ってきて、いかなる状況でも涼しい顔でクールに堅実にプレーする、それが鳥谷らしさでもあった。

 思えば14年オフに海外FA権を行使してMLB移籍を目指したときもそうだった。MLB球団からのオファーは複数あったものの、条件面で折り合いがつかず、阪神残留を選んだ。鳥谷はどんな条件であっても(たとえマイナー契約からでも)、MLBを目指してもがきたいと考えるタイプではなかったようだ。

 だとすると、やはり鳥谷はNPBからのオファーがなければ潔く引退しそうな気がする。ボロボロになるまでユニホームにしがみつく美学がある一方で、こういうクールな引き際もまた、プロの矜持かもしれない。阪神ファンの私としては残念でならないが、そろそろ鳥谷引退を覚悟する必要がありそうだ。

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