ヤクルト時代の広報マンが追悼 裏方に優しかったノムさん
ただ、僕ら裏方には選手とは真逆で、よく気を遣ってくれた。ユニホームを脱ぐと、本当に優しい方でした。
ある時、裏方全員で野村さんの自宅へ招かれたことがありました。
「好きなものがあったら、もってけ」
部屋には、山ほど積まれた服や靴、何百本はあろうかというネクタイがあって、それをプレゼントしてくれるというのです。見ただけで何十万円もするとわかる高級スーツも、惜しげもなく。野村さんと服のサイズがぴったりと合う裏方なんて、両腕に7~8着抱えて持って帰っていましたね(笑い)。
シーズン中は裏方にも手厚い“監督賞”を出してくれましたし、試合後の食事についても、その時々で「今夜はいいぞ、スギ。適当に食事をするから」と、自由にしてくれたこともたびたびあった。仕事は大変な部分はありましたけど、しんどかったという思いはありませんでした。本当に寂しいです。