ヤクルト嶋がフタをする古巣・楽天“戦力外通告”への本音
ヤクルトに入団した嶋基宏(35)は昨オフ、楽天から減額制限を超える条件提示を受け、自由契約に。事実上の戦力外通告ともいわれ、プロ入りから13年間を過ごした杜の都を離れることになった。
昨年12月、仙台で開催された自身主催のファンイベントでは、エースの則本から泣きながら花束を手渡されると、涙をこらえきれなかった。「楽天のシンボル」ともいうべき存在だった嶋の退団は、大きな波紋を呼んだ。
「いろいろと思いはありますが、自分の決めた道なので……。まあでも、プロというのはそういう世界。自分が招いたことですから、全く後悔はないです」
新天地で若手に交じって大きな声を出し、復活を目指す嶋は、キッパリとこう言った。
「自分が招いたこと? 自分自身、一軍でチャンスをつかめなかったということです」
昨季、嶋はプロ入り最少の57試合出場にとどまった。6月にケガで登録抹消されて以降は、二軍暮らしが続いた。盗塁阻止率は1割に満たず、肩の衰えも見え始め、太田、堀内といった若手も頭角を現し始めている。そうした現実を受け止めているということだろう。