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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

五里霧中の東京五輪 カギ握るのは次期IOC会長候補のコー氏

公開日: 更新日:

 2007年8月に大阪で開かれた世界陸上選手権は蒸し暑く、メディア対応の役員が次々と倒れた。

 会場の長居スタジアム前の回転寿司店に逃げ込むと、カウンターに見覚えのある外国人が座っていた。スティーブ・オベット、モスクワ五輪800メートルの金メダリストで、英国を代表する中距離の英雄。寿司屋の店主によれば「よう来はるお客さんですわ」とすっかり常連で、陸上マニアと写真に納まり「安くてうまい」と上機嫌だった。

 80年代、オベットと世界記録を交互に塗り替えた宿敵が、同じ英国のセバスチャン・コーだ。モスクワの800メートルに続く1500メートルでは、コーがオベットに勝った……2人の対決がボイコットでしらけた大会を熱く盛り上げた。

 開けっ広げで辛辣なオベットに対し、コーはインテリ然とした風貌で控えめ。引退後は国会議員を務めてバロン(男爵)ももらい、ロンドンオリンピック組織委員長から15年に世界陸連(WA)会長に就任している。

 東京オリンピック2020の開催の延期が決まった。コロナの前に来年のことなど何も分からないが、カギを握るのはセバスチャン・コーだ。

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