“バッハ会談”に政治家ズラリ JOC山下会長はなぜ蚊帳の外?
まるで政治家の密談だ。
24日夜に行われた国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と安倍首相の電話会談。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて安倍首相は、今年7月24日開幕予定の東京五輪を1年程度延期するよう提案。バッハ会長がこれを受け入れた形になった。しかし実際は、17日の臨時理事会以降、IOCは「1年延期」に舵を切り始め、水面下で動いていた。安倍首相の「お願い」で延期が決まったわけではない。
それにしても不思議なのは、この会談に「あの人」がいなかったことだ。25日の一般紙やスポーツ紙に掲載された写真を見ると、安倍首相以外の出席者は、森組織委員会会長、菅官房長官、橋本五輪相、小池百合子東京都知事の4人。さらに、組織委員会の武藤事務総長も同席しているが、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長の姿がない。
国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏が言う。
「組織委員会の会長や開催都市のトップはわかります。なぜこの席に菅官房長がいて、JOCの山下会長が不在なのか。山下会長は今年1月、IOC委員にも就任している。形式上の提案でも、バッハ会長との会談です。『なぜ、私を呼ばないんだ』と怒って当然です。ましてや山下会長は、政治主導でボイコットになった1980年のモスクワ五輪の代表じゃないですか。JOC会長として情けないですよ」