強豪校元監督が有望生をライバル校にねじ込もうとした魂胆
少子化の影響もあって、有望な中学生の勧誘は年々、激しさを増している。
ある付属中学の野球部は、リトルシニア、ボーイズ、ヤングなどがある硬式のリーグに所属。ジャイアンツカップに出場経験もある強豪チームとして知られる。
しかし、高校の実績が見劣りするため「甲子園に出たい」、あるいは「甲子園で優勝したい」という主力クラスは、近隣県の強豪校に引き抜かれる。この中学のOBが証言する。
■中2の冬には内々定が
「うちは軟式ではなく硬式なので、付属なのに他校の草刈り場になっているのが現状です。甲子園常連校のA監督は、秋以降の週末になると、よくうちの中学の試合を見にきます。高校が選手を勧誘する場合、何より先に監督に挨拶に行くでしょう。でも、うちはエスカレーター式に高校に上がるのが大前提だから、『はいそうですか』とは応じてはもらえない。だから、Aは欲しい選手の親に直接声を掛けるんです。『ここの高校じゃ甲子園に行けない』とか『うちにくれば全国制覇が狙える』とか『プロが狙える』とか。Aは有名監督ですから、親だって悪い気はしない。多くは勧誘に応じます。中学側から文句を言われても、『決めるのは本人ですから』とピシャリ。有望な子は中2の冬には内々に引き抜きが決まっています」