夏の甲子園も開催ピンチ…高校野球の現場から相次ぐ悲観論
「夏も難しいのかなという思いは、かなりあります……」
中止になったセンバツに出場予定だった関東の強豪校の関係者が、肩を落としてこう言った。
去る15日、日本高野連は、4月22日に予定していた夏の甲子園に関する運営委員会を5月20日に延期すると発表した。その際、開催についての方向性を出す可能性があるというが、コロナ禍が続く中、全国の高校野球の現場では、開催に対して悲観的な声が少なくない。
春のセンバツのみならず、各都道府県の春季大会や地方大会も中止が相次いでいる。開催可否の結論が出ていない青森と福島も、中止になる可能性が高いという。7日に東京、大阪などに緊急事態宣言が発令され、大都市圏の野球部は活動休止に。さらに昨16日、政府が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したことで、新学期から活動を再開していた学校も、再び活動できなくなるだろう。
前出の強豪校関係者が実情を次のように明かす。
「センバツが中止となり、寮は3月時点に閉鎖した。インターハイ(夏の高校総体)も開催中止になる可能性が高く、甲子園開催への影響は必至です。部員は先が見えない状況で、気持ちの糸が完全に切れてしまっています。仮に夏の予選をやれたとしても、一から立て直す必要がある。ケガのリスクなどを考慮すると、短期間で準備するのは難しいと言わざるを得ません」